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くだらない備忘録

2022年02月16日
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1. ワンカップのおっちゃん

2022年02月16日 18時25分 ID:21e8d17416 (1/6) ID抽出 返信

地元中堅企業の広報担当から電話があった。

どうやらアンケート調査らしい。

電話の要件をメモしていくたびに、どこかで聞いたことのある声だと思った。

その瞬間、驚愕で危うく声を出しそうになった。

電話の相手は、中学生の頃に私をいじめていた主犯格の一人だ。

私の通っていた公立中学校では、少しの失敗があっても笑いに変えることが流行っていた。

人とうまく話せないのが私の常であったので、教師からの高圧的な態度にさらされる環境に置かれていたいじめの主犯格たちにとって、その失敗は退屈な日常と付け合わせで、うまい肴になったのは言うまでもない。

情けない話になるが、当時の私は抵抗せず、インドで非暴力を貫いたガンジーを意識して、暴力や陰口が無くなるまで笑顔を作って、ずっとこらえていた。

同じくいじめを受けている人々の中には、暴力で奴らに対抗しようとした者もいたが、結局、教師に反省文を書かされるのは最初に仕掛けたほうで、誰も太刀打ちできなかった。

私はその革命に対して、加勢しないでジッと眺めて、今日は自分が被害者にならないことに対し、そっと胸を撫でおろしていたのだ。

2. ワンカップのおっちゃん

2022年02月16日 18時26分 ID:21e8d17416 (2/6) ID抽出 返信

反抗しない代わりに、私は勉学に勤しんだ。勉強を苦手とする奴らに、金や役職といった社会的地位でも、さらには人格でも優越できるのだと根拠のない自信で奢り高ぶっていた。

有名私大、国公立大に入ればすべてが変わる。本気でそう思っていたのだ。

確か、大学の第一志望に落ちる直前、彼女が商業高校のチアリーダーOGとしてテレビに出ていたのを見たんだっけ。

新聞では、地元企業で活躍する注目の人材として取り上げられていた。いい笑顔だった。

彼女から問いかけられる項目に答えていくたびに、私の話し方はしどろもどろになっていった。

3. ワンカップのおっちゃん

2022年02月16日 18時27分 ID:21e8d17416 (3/6) ID抽出 返信

そして、頭の中で何かが崩れ落ちていく音を聞いた。

彼女は企業の一社員としての立ち振る舞いをしているのに対し、私は、あの頃の未熟な精神のまま向き合ってしまったという事実によって、高飛車なプライドの残骸を生み出していた。

4. ワンカップのおっちゃん

2022年02月16日 18時27分 ID:21e8d17416 (4/6) ID抽出 返信

私は苦手を克服したのではなく、見えないふりをしたのだ。

自分の中途半端な分野だけにひたすらしがみついた。

まだ心の弱さが残っているのに、忠告してくれる声について、まったく聞こえないフリをした。

今になり、それは仇になって帰ってきた。

思えば、受験や就職といった現実に立ち向かっているように見せかけて、人一倍そこから逃げていたのは、私一人だけだったのだ。

5. ワンカップのおっちゃん

2022年02月16日 18時28分 ID:21e8d17416 (5/6) ID抽出 返信

お礼の言葉のあと、何事も無かったかのように電話は切れた。

ただただ、涙があふれて止まらなかった。

6. ワンカップのおっちゃん

2022年02月16日 18時30分 ID:21e8d17416 (6/6) ID抽出 返信

すみません、ただの愚痴です。酒入ってます。

失礼しました。

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