俺は4才から小5当時まで、父親の癇癪でDVの日々だった。それが嫌で家出した時があった。夜10時ぐらいだったかな?といっても行く宛ても無くてな…。「金は520円ぐらいか、出ていって小学校辞めさせられるかもしれんなあ」「こんなガキを働かせてくれる職なんてないよなぁ」と歩いてた。5キロ先ぐらいで、客降ろし終わって暇そうにしてるタクシーのおっちゃんから「おぃ、こんな夜遅くどうしたんや?」って声かけられてな、諸々の事情を話してみたら、「そりゃ災難だったなぁ、。腹減ってるだろ?なんか食うか?」って、おっちゃんがお好み焼きおごってくれた。 俺は、酒を飲みながら荒れてる父親を思い出してな、、クソ親だが、働いて養ってもらってるのは確かで、、申し訳なく感じたんだ。おっちゃんは、しっかり真面目に聞いてくれてな、、「坊主、今は幾ら持ってる?」と聞かれ
「500円ちょいです…」と答えると、、
「そうか、わかった。家まで送ってってやるよ。」
500円でおっちゃんは家の近くまで送ってくれた。
「もし辛くなって、逃げ出したくなったら、いつでも呼べ、また聞いてやる」と、おっちゃんは電話番号を書いた紙と、4分の1のお好み焼きの土産をくれた。後々何度か会って、おっちゃんと仲良くなって、俺が初バイトの時に逆に奢ったりして、けどここのところ弱ってて、昨年病気でぽっくり逝っちまった。
家計の問題で予備校に通わなかった浪人時代、一度だけ出会ったおっちゃん。
駅前で電車が来るまで英単語やって待ってたんやが、急に話しかけられた。
最初はヤバい人かと思ったけど、浪人の身だと言ったらコーヒー奢ってくれた。
正直、センターボロボロでまたもう一年かって感じで、話す相手も居なくて気落ちしてた所だったから、そんな気遣いがありがたかった。
起業したあと、息子に引き継いでもらって、今は自由に日本中を放浪してるらしい。
名刺もくれたけど、どこかに無くしちゃった。
毎年、この時期になると思い出す。
今も元気にしておられたら、ええんやけどな。
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