一因としては行き過ぎた自己責任論だろうか。
これは個人としても自己責任論を持っている人が多数いて、
やむを得ない状況での失敗に対しても、
「そもそもなぜそういう状況にしたのか」
というように過去に遡って小さなミスを論うのを見かける。
これが個人の内省の範囲内であれば自戒とし得るけれど、
SNSが高度に発達した現代においては、
他者からこのような責めを受けることが増えたように思う。
自己責任論を強固に持ち、それを自負している人間こそが、
失敗者に対して過剰な攻撃行動を取る。
それにより自らの失敗に後悔している人間であっても、
再起の度に過去の失敗を蒸し返され、心を折られる。
むしろ自らの失敗に後悔する見識がある人間ほど、
自分が再起をしようとすればこういう批判のあることに思い至り、
最終的に社会的、肉体的な自死を選ぶのではないだろうか。