近所のパチンコ屋でセミプロの大学生と知り合い、そのうち酒を呑む仲になりました。
彼は私より2歳上で、驚いたことに国立理科系では随一の難関校として知られるT工大の2年生でした。
私が信じがたい顔をしていたのか、彼は学生証を見せてくれました。
「理系でパチンコなんかしてる暇あるんですか？」
純粋な興味から訊きました。
彼はちょっと苦い顔をすると、吐き出すように言いました。
「2年もう3回やってるからな。いまは学校には行ってない」
自分と同じような境遇に、嫌でも親近感が湧きます。

彼はパチンコで、すでに1000万（当時の金で）貯めたそうです。
当時のパチンコは攻略法が存在する機種が稀にあって、セブン機の目押しや朝イチ攻略法で一日5万くらい、彼は稼いでいました。
一か月フル稼働して、150万。
攻略法は知れ渡るとパチ屋やメイカーがすぐに対策を練り、およそ2か月程度で使えなくなります。
しかしそれでも、彼は持ち前の理系頭脳を駆使して、攻略が利く新たな機種をを見つけていました。

彼に攻略法を教わり、都内のパチ屋をローテーションで回りながら（地グマのように一箇所に根付くと、すぐに出禁なるので）、私も随分、稼がせて貰いました。
麻雀や呑み屋で使っても、気がつくと彼の10の1くらいの貯金が出来ていました。