ともかく、俺たちは仕事をめちゃくちゃにされるべきだ。

自分たちのやっていることを無に帰す。すべてが土に戻ることを感じてしまう。

製造業の人間は、自身が関わってきた商品を燃やされる。爆破し、完璧に粉々にされる。

サービス業の人間は１週間仕事をストップさせられる。話の通じない相手とひたすらに対話を繰り返す。疲れ果ててしまったら、こっちから会話を止めにしてしまう。本人の評価には影響しない。ただむなしさを感じるだけだ。

俺らは何のために働いているのか考える。

家族のために働いているという人もいる。

実は家族なんてくだらない。離婚して一家離散してしまえばよい。そんなふうに思ってしまえば、いとも簡単に理由なんてものは崩れ落ちてしまう。

俺らが必死に守ってきたものは、潮の満ち引きに似ていて、案外あっさりと俺たちの前を過ぎ去っていくものだ。

俺たちの前にある確かなものなんて、くだらない。

完璧な理由なんてありえない。

みんなストーリー作りが上手だな。

俺も見習いたいところだ。