「それでも町は廻っている」

萌え絵ではなく、青年誌っぽい絵柄
女子高生が主人公の、サザエさんみたいな漫画
下町の（ちょっと変わった）日常が淡々と描かれる

10年くらい前？になんかの賞を取って話題になった
それに踊らされて買って最初の一話読んだ時は正直ピンとこなかった
外れかなーと思いつつも読み進めていったら、不思議な魅力が出てくるというか
最終的に面白かった

特に変わってる点
作品の中できちんと時間が流れていて、すべての話に時間的繋がりがある
ただし順番が最初から最後までバラバラになっている
主人公歩鳥が突然短髪になってたり、次の話でいきなり元に戻ってたりする
話はそれぞれで完結してるから、単話としては違和感なく読める
全部合わせると、パズルのようにすべての話がつながるらしい
タイトルの「それでも町は廻っている」ってのは、そういう構造にも掛けたらしい
最初から意図されて書かれた作品

この構成によって、歩鳥の学生生活を俯瞰して見てる感じというか
神の視点からそれ町の世界をさまよう感じというか
最終話まで読んだ前提で、独特な読後感が生まれてると思う

最終話自体は楽屋落ちというか、正直イマイチ
ただ、単行本限定の、最終話の後のエピローグがものすごくいい
余韻が最高