『大人のいじめ』
著者 坂倉昇平
講談社現代新書
職場のいじめに関しての実態を記し、それには日本の会社の構造的な問題があるのではないかと究明した本です
最近の労働相談で多いのが職場のいじめに関するものでそれは年々増え続けているらしく、加害者も先輩や上司だけではなく同僚である事例も多く確認されており
社会問題になっているそうだ
職場いじめは大きく三つの特徴があり
一つ目は長時間労働が温床になっている可能性が高いこと
二つ目は職場全体が加害者となること
三つ目は会社自体がいじめが発生してもそれを放置していることであり
このことを受けて日本の会社が構造的にいじめが起きやすくなっていることを指摘している
「特にいじめの加害者に注目すると、もともと人格に問題を抱えていた人物が加害者になるというより、同僚をいじめる加害者の役割が連鎖していたことが象徴的」という文はいじめという問題の根本が見えてくると感じる
「経営の論理 市場の論理に適合的でない」労働者は、平等に扱わなくても、人権を認めなくても良い、差別の新しいカテゴリーとされつつあるのではないかという文にも鋭い洞見を感じた
『事故現場清掃人が行く』高江洲敦著 幻冬舎アウトロー文庫
いわゆる特殊清掃に関するノンフィクション作品です
特殊清掃とは簡単に言うと死んだあとの処理をする仕事であり、匂いをとったり、虫がわくこともあるのでそれを除去したりします
この著者の高江洲さんもそのような現場で働いてきており、元々は料理人のようだったので最初は匂いに耐えられなかったと書いてます
そのような現場の体験が記されているのですが、私が面白いと感じたのは孤独死に関する考察の部分です
本当の孤独死というのものは関係がなくなってしまっている、つまり死んだあとも誰もその人の死を偲ばない
それが本当の孤独死であると著者は言っています
私は個人的に孤独死は孤立死ではないこともあるという風に読み取りました
昨今自殺や孤独死が増えていくなかこの業種の需要は上がるでしょう
一度読んでみても良いかもしれません
1はこの新書100冊のうちどれだけ読んでいるんだろうか?
https://www.amazon.co.jp/dp/product/4334100678/
『「フキハラ」の正体 なぜあの人の不機嫌に振り回されるのか』
満倉靖恵著 ディスカバー携書
フキハラいわゆる不機嫌ハラスメントの実害に関して、「感性アナライズ」という装置を使用して解明していったという内容
ネガティブな感情ポジティブな感情とに大きく二つに分けて調べており様々な研究内容があり興味深い
やはり人間はネガティブな感情の方が感じやすく、その感情は持続しやすいことが明らかになった
逆にポジティブ感情は残りにくい
これは人間の進化の結果であるのだろう
ネガティブな感情の方の方が残りやすいというのはそれを忘れずにおいた方が命の危険に晒されずに済むということだろう
ある人の幸福論にもあるように地獄は雄弁であるというのは蓋し真である…のかもしれない。
『「ぴえん」という病』 佐々木チワワ 扶桑社新書
歌舞伎町の若者(もっと広く言うならZ世代)をテーマにした社会学系統の本です。
最近話題のトー横キッズから推し活そして歌舞伎町における価値の問題まで。
私が面白いと感じたのは第六章の「まなざし」と「sns洗脳」という箇所であり、
見田宗介さんの理論を下敷きに今の若者たちの価値観をあぶり出しています。
曰く都会のアイデンティティにあわせるためには抽象的な価値観に囚われざるを得ないが そうした場合 記号によっての自己表現であり 本来の自己表現から乖離するという矛盾が生じるというものだ
ここから歌舞伎町特有の価値観に飲まれてしまう若者が続々と出現するのだそうだ。
『君たちはどう働くか』
今野晴貴著 皓星社
NPO法人POSSEの代表の今野さん
が中高生にも読めるように書いた
「労働」に関する本です
なぜ働くのか?、働くためのルールについて、アルバイトについて、働く前に何を考えればいいのかなどが書いてあります
印象的だった箇所はなぜ働くのかに関して明確に答えを出しているところです
答えは聞いてみれば単純ですが、だからこそ色々な問題も噴出するんだなと思わせられます
ちなみにブラック企業に入ってしまった場合の対処法も簡単にではありますが書いてますので是非 参考になさってください
企業に関しては超絶ホワイトではありませんがグレーである そんな社会が 一番成熟してるのかもしれません
『勉強が面白くなる瞬間 読んだらすぐに勉強したくなる究極の勉強法』
著者 パク・ソンヒョク
訳 吉川南
ダイヤモンド社 2022年
15歳の秋頃まで、「ハイレベルのサボリ」をしていた著者が書いた有体にいえば自己啓発本である。
この本の主張は至ってシンプルであり、なぜ勉強するのかが分かれば、どうやって勉強するのかがわかる。勉強は心から始まるというもので、そのための著者の経歴とどのように勉強していけばいいのかを書いている。
私が面白いなと思ったところは、最後の章の「あなた以上にあなたの人生を愛してくれる人」というところである。
この章では、いわゆる親に関してかかれており、親がどういうふうにあなたを思っているのかという方面から勉強に関して書いてある。是非とも最後のサブタイトルである「小言の後の「……」に込められた本当の意味」だけでも呼んでもらいたい。
この本は上記の通りいわゆる自己啓発本だが、一般的なものと違う点はおそらく本当に「勉強」その一点のみに関して書いてあるということだろう。
この本に書いてある通り「学ぶ意欲がなければいくら教え上手な先生でも役立たずだ!」
この本の存在意義を否定しかねない危ない発言ですね……
『会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない』
著者 青野慶久
PHP 2018年
サイボウズ取締役社長である青野慶久さんが日本の会社というものについて書いた会社の構造からサイボウズ自体のユニークな取り組み、そしてこれからの会社という形態に関してかいた本である。
この本の面白いとおもったところは、会社は実在しないという前提を置いた上で、じゃあ、会社というのはその会社の代表が考えて動かしているのであり、その会社の代表が信頼できるかどうかそこを見ることでこの会社でやっていけるかどうかの判断軸が取れるというところだ。
確かに会社というのは9割中小企業であり、中小企業では代表の権限というのはおもった以上につよいのだろう。以下引用
カイシャの取締役が持つ権力は強く、例えば、自分の年棒をいきなり1000万円増やすようなことが、平気でできてしまいます。
ほとんどの日本企業に当てはまっているのだろう。
このような中での自衛手段として、信頼できるかどうかというのは覚えておいて損がないだろう。
他にもいろんな、会社に関することや働くということに関して書いているので、自己啓発本に飽きた方にどうぞ!
『ヤングケアラーってなんだろう』澁谷智子著 ちくまプリマー新書
最近ニュースでも話題になっているヤングケアラーに関してその実態を分かりやすくまとめた本
まずケアに関する社会の流れ、ケアの実態、当事者の語り、最後にヤングケアラーをサポートする人たちを紹介している
そもそも今の社会は経済領域の生産(何かを産み出す、成果をあげる)の部分ばかり重要視され、再生産(生産をするための準備の領域)の部分はおろそかになっており、その付けが回ってきていると言うのは膝を打った
ケアの領域は言葉で言い表すことが難しくそのためはっきりとこれはケアなのかケアじゃないのか分けることは難しい
ややもすると過重労働になりやすい傾向がある
それはつまりやりがい搾取に繋がってしまうということでもある
ここの問題をいかに解消できるかが今の福祉業界の分岐点であるのかもしれない
『遠足型消費の時代 なぜ妻はコストコに行きたがるのか』
著者 古市憲寿 中沢明子
朝日新書 2011年
この本は社会学者の古市さんと主に女性誌のライターとして活躍されている中沢さんが書いたおじさんのためのマーケティング本です。
遠足型消費と言う日常と地続きの非日常を楽しむ消費がものを売るポイントであると書かれています。
その中でも「キラキラ」をキーワードにしており、著者たち曰く消費社会論で有名なジャン・ボードリヤールの差異体系の中で自己の位置を獲得するために行う消費、簡単に言うと、これを持ってたら集団の中で俺の印象良くなるから買うって言うやつをもう少しわかりやすくしたのが「キラキラ」と読んでいるものの正体の1つだそうです。
この「キラキラ」感が遠足型消費を加速させるブースターのようなものであり、タイトルにもあるコストコやH &Mなどを魅力的にしている要素の1つだそうです。
このほんのすごいところ一つ予言を的中させているところです。引用しましょう
このような「コンサマトリー化」が進む世界で、「モノを買う」と言う行為は、「お金を払ってメンバーシップを得ること」に近くなるのではないかと思います。
マーケティングの本としては少し古いですが、一度手に取ってはどうでしょう?
Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である
クリスティーンボラス著 夏目大訳
東洋経済新報社
最近良くあるThink~系統の本です
その中でも礼儀正しさという普段意識してる人は意識してるけど
意識しない人からしたらそんなもんなくてもいいでしょと思ってしまう事柄を仕事していく上で一番の武器になると高らかに宣言し本書は始まっています
ちなみに礼節とはこの本によると人間らしく相手と関わり合うことだそうです
一番読んでほしいのは無礼な人がいることでチーム全体にどれだけのデメリットがあるかという箇所(第一部の第2章)です
この本にも書いてあるとおり、人から無礼な扱いを受けたらそれって案外記憶に残るんですよね
ちなみに漫画版もあるので、時間がない方はそっちの方がいいかもしれません
『裏社会の歩き方』
著者 丸山佑介
彩図社 2010年
クレイジージャーニーで有名な丸山ゴンザレスさんが別名義で書いていた裏社会の取り扱い説と言える本です。
扱っているのはヤクザ、非合法賭博、クスリ、裏風俗といったまさしく裏社会の王道とも言える品々。
見といて損はないのはクスリのページだと思います。ちょっと個人的に気になった箇所を引用します。
ライターは一呼吸おくと、次のように続けた
「俺が一番問題だと思うのはさ、リタリンみたいな処方薬をレクリエーション感覚で使う連中が増えたことだよ。処方薬ってのはさ、病気を抱えた人のものだろ。それを合法だからって、快楽目的に使うやつが増えたら、最悪の場合、指定を受けて処方できなくなることも考えられる。それでなけりゃ良くならないって人もいるだろうにさ。節度を忘れたジャンキーほど、みっともないものはないね。」
クスリと聞くと覚醒剤や麻薬を思い浮かべるが、案外問題なのが、このような一般的に処方される薬を乱用するやり方です。
もしこのようなものが国によって規制された場合、本当にライターの言うように、その薬を本当に求めている人に多大なる被害を与えるのだと思います。間接的な人殺しと言っても良いかもしれません。
裏社会の見取り図が欲しい人は是非ともどうぞ
『まことディストーション』
漫画 まつだひかり
MEDIA FACTORY
この本(全2巻)は女子高生の天王寺まことが一学年上である加藤花、茶戸葵そして降矢レイナ共にバンドを組んでわちゃわちゃするお話です。
早い話『けいおん!』みたいな感じです。
『けいおん!』と違う点は主人公がベース弾きであること、けいおんと比べると楽器関連またはそれに付属する(エフェクターなど)の知識が結構入ってくることそして何より全2巻なのでキャラの掘り下げができずに物足りなさがすごいあります。
とはいえ、サクッと読めて音楽が好きな人は面白いと思えると思いますので、是非どうぞ!
ちなみに、この漫画を描いたまつだひかりさんはyoutubeに「女子高生エフェクターを買いに行く」と言うシリーズの自主制作アニメを投稿しているので暇な方はこちらもどうぞ
『13からの反社会学』パオロ・マッツァリーノ著 角川文庫
反社会学というのは反社に 関する学問ではなく 今の社会学は学問という形をなしていない
学問はちゃんと客観的でありうるデータと自身の常識と照らし合わせるものだというスタンスのもと
著者のパオロ・マッツァリーノさんが提唱した学問です(計量社会学に少し近いが扱っているテーマの関係上それよりいくぶんか取っつきやすいかもしれない)
この本では例えば、お金を拾って暮らせるか?朝日と読売どっちをよく使う?などトリビアの泉のような内容が目白押しです
調べもののコツなども書いており、なるほどと思う部分も多くあります
実際に読んで見てください!
>>27
『一万円選書: 北国の小さな本屋が起こした奇跡の物語』岩田 徹著
今年は終了していたので参考まで。
「選書カルテ」
――これまで読まれた本で印象に残っている20冊を教えてください。
――これまでの人生で嬉しかったこと、苦しかったことは?
――何歳のときの自分が好きですか?
――上手に歳をとることができると思いますか? もしくは、10年後どんな大人になっていると思いますか?
――これだけはしない、と決めていることはありますか?
――いちばんしたいことは何ですか? あなたにとって幸福とは何ですか?
――そのほか何でも結構ですので、あなたについて教えてください。ゆっくり考えて書いてみてください。
『搾取される若者たち』
著者 阿部真大
集英社新書 2006年
社会学者の阿部真大さんが自らバイク便ライダーとして働く中で不安定雇用の中で危険労働をする人たちを描きそこに潜む問題点を抉り出した良作です。
この本の主張を一言でまとめるなら、好きを仕事にするのは構わないけどその隙を大人たちは搾取するよと言ったところだと思います
この本にに関しては是非とも読んでくれと言いたいです。
一番印象に残った箇所の引用をします
「仕事による趣味の更新」とは、彼らの身体的な負担を忘れさせてくれる「魔法」のようなものである。それによって仕事は中毒性を帯び、事故死は美化され、事故に対する恐怖心はかき消される。その魔法にかかっている限り、軽い躁状態の中で彼らの身体は消耗し続ける。しかし、人間の体には限界がある。この「魔法」はいつかとける。「自己実現系ワーカーホリック」のもたらす副作用はあまりに大きい
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