村上「バカだな〜〜グッズのために定価の3倍で買うんだぜ。　今日も売れてる　売れてるwww」

木村「売れてるのはいいからこっちにも回してくれよ　半々の約束なんだからな」

村上「わーとるって　にしてもここまで買っていくと笑いが止まらねーわ」

パソコンのフリマサイトの画面を見て笑っている
二人は村上と木村　俗に言う転売ヤーだ。

転売行為

店という店からものを買い占めて商品の値段を釣り上げるという悪徳的な商法を用いる彼ら

簡単な副業ということで昨今問題になっていた。

木村「そういえば見た？　次の総理の発言
転売ヤーは潰すとか　社会的制裁を下すとか
そろそろ潮時なんじゃない？」

村上「無理w無理wあんな発言してる時点で
即総理の座は引きずり下ろされるよw
なぁ、　今夜焼肉にしないか？　こんなに売れてるんだし前祝いに、な？」

〜〜焼肉屋前にて〜〜

村上「はぁ〜〜食った食った　やっぱり転売はやめられねーなー　こんなにいい思いできるんだから」
木村「でも、あの総理何かやるでしょ。
利益見込めなさそうだし　潮時じゃない？」

村上「法律の施行までは時間あるから　大丈夫
まだ売れるって　次の商材探しとけよ んじゃ　さよなら」

木村「あ、　うい　さよなら」

〜〜村上の家〜〜

村上「やっぱり　美銃❤︎弾子　は売れるな
今回の在庫も全部捌けるな」

村上「次は　プラモデル系は　かさばるし在庫確保出来なさそう……… へー　コトブキ商店のプラモデルは常に品薄……2.3箱でも利益出せるかな？」

スマートフォンに1通の着信

スマートフォンはメールの着信を知らせていた。

送り主:日本国政府

主題
転売ヤー鬼ごっこの開催のお知らせ


日頃より転売行為に勤しむ非国民の皆様に
「転売ヤー鬼ごっこ」の開催をお知らせいたします。

ルール

逃げるのは日本国内在住の全転売ヤー
鬼は全国民

鬼は捕まえた転売ヤーのこれまで転売行為によって得た利益及び在庫の全てを転売ヤーから得ることができる。　

転売ヤーは鬼ごっこ期間中にフリマアプリで
10万の利益を出すことが解放の条件である

鬼ごっこ期間中は転売ヤーの商材に傷をつけない限り
いかなる傷害行為も合法とする

村上「なんだよw このメール　誰の悪戯だか知らんけどさ 」

スマホのメールの画面は通話を知らせる画面に変わった。
村上「木村からだ　このタイミングで電話？
まさかあのメールガチにしてるとか？」

スマホの通話応答ボタンを押す

村上「はいはーい　心の友です」

木村「テレビつけて！　NHK! 政治のやつやってるから！」

木村「は？　まぁ　いいけど」

テレビをつけると新内閣がテレビいっぱいに映されていた

内閣「先程閣議決定におきまして
［転売行為特別対策法］が制定されました。

この法律により転売ヤーの撲滅を全国民
一致団結し行う所存です。」

ざわつくマスコミ

その中一人の女性が手を挙げた

女性「総理　申し訳ございませんが転売行為特別対策法　いわば　転売ヤー鬼ごっこについてなのですが、
転売ヤーの位置がわからなければ　どうしようもないのですが………」

内閣「安心してください、　各フリマアプリを用いてGPSにより　毎日 6時　12時　18時　24時にて
転売ヤーの現在地がわかるようになっております。
位置情報は全国民に通知されるので抜かりなく」
内閣「開催は明日の00:00からです。
それでは失礼します。」

ざわつくマスコミを尻目に退出する総理

「総理！説明が　足りません！
総理！　総理！　逃げんな！！」

マスコミの罵声が会場に響く

村上「マジかよ………」
電話をかけていることを忘れて完全に
意気消沈してるところに　木村の大声が響く
木村「どうすんだよ！　これ！
とりあえず10万稼ぐしかないよ！」

村上「あぁ………うん……えぇ」

木村「お前がいつもメインでやってるんだろ？
シャキッとしろ！　二人ならいける」
村上「あぁ……… そうだな
やらなきゃいけないんだな。」

村上「一旦家に集合な　来てくれ　作戦を練る」
木村「了解　心の友」

〜〜村上宅〜〜

22:14

木村「お邪魔するぞ。」
村上「入れ　ほら」
数分の沈黙の後村上が口を開ける

村上「何を転売するべきなんだ？」

木村「10万 まぁ二人分で20万か　それなりに大きな利益になる　かつ　嵩張らない」

村上「プラモデル系か？」
木村「嵩張る　常に見張られる都合上　嵩張るものの持ち運びはすごいリスキーになる」
村上「となると今回も結構な利益になってた
美銃❤︎弾子か？」
村上「そうだね　運がいいことに明日朝にイラストブックの再販がある　そこに合わせよう」

村上「一旦寝るか　明日のためにも」
木村「うん、そうだね」

二人はこたつでそのまま寝ていた。

ようこそ地獄の始まりへ

翌日　地獄の始まり

〜〜5:45 〜〜

木村の怒鳴り声にも近い大声で目を覚ます村上
村上「まだ……寝かせて……」
木村「起きろ！！　並ぶんだから　起きろ！」

村上「ふぁい………」

木村「朝飯はもうできてるから　食ってさっさといくぞ」

朝食を食べる二人を邪魔するようにアラームが鳴る

第一回の現在地開示の時間です。

木村「これ　大丈夫？」
村上「だって朝だぜ？　来るわけ」

ドンドンドン！
ドアを叩く強い音

木村「そういえば　君の隣人って」
村上「生活保護でパチンコ打つパチンカス」
木村「逃げるか」
村上「窓からね」

急いで走りアパートを出る二人

「いたぞー！！　転売ヤーだぁ！！」

叫ぶ住人　
その獲物を見つけた肉食獣のような雄叫びは
他の肉食獣を呼び寄せる。

今の彼らには基本的人権も　何も　彼らを守るものはない

兎のように逃げるしかできない

〜〜6:24〜〜

木村「逃げ………きれたね」
村上「あぁ……… よかった」
幸い　あの地域の平均年齢が高い分逃げ切ることができた。

木村「とりあえず 電車乗って　秋葉原行って　列並ぼ」
村上「そうするべきだな」

駅へ向かっていく

〜〜7:08〜〜

秋葉原
日本のサブカルチャーの拠点にして転売ヤーの狩場
今では別な意味で転売ヤーの狩り場になっている

木村「わぁ　もう並んでるね」
村上「待て」
二人は路地の裏に隠れる
木村「なんで？　並んだ方がいいでしょ」
村上「今朝のアレを忘れたか？ ちょうどよく並んでくれる奴がいるから　実験だ」

一人の男が列に並ぶ

列に並ぶ女性はいかにもガチヲタクの装備を全身に包んでいる　なんならコスプレしてる人までいる。

それに対して男　いかにもフツーの服装　秋葉原の量産型オタクの服装であった。

ヲタク女子「美銃❤︎弾子好きなんですか？」
オタク男「えぇ　それなりには……ﾃﾞｭﾌ」
オタク女子「誰が好きなんですか？」
オタク男「38歩兵ちゃんですかね………ﾃﾞｭﾌﾌ」
(あぶねー　転売でそれなりに知識つけておいて)
ヲタク女子「かわいいですよね　フリントロック式の子たち」
オタク男「かわいいですよ　ほんと　ﾃﾞｭﾌ」

ヲタク女子は自分の拳をオタク男の腹に捩じ込むように入れていた

クリーンヒット　みぞおち

オタク男はその場に倒れ込む
オタク男「何すんですか！　同担拒否ですか？！」
オタク女子「38歩兵ちゃんは！　ボルトアクション式じゃけ！　この人転売ヤーです！」

列に並ぶ女性たちは一斉に列を崩し男を殴りに向かう
それはもうボコボコにいくら男と言えど20人近くの女性にリンチされようもんなら勝ち目などない

挙句女性の中には　ハンマーなど　メリケンサックなど普通持ち出すはずのないもので殴ってる始末

木村「帰ろう　僕達に知識はない」
村上「俺もそれは思った。」
女の子「どうしたの？　お兄さん　まさか転売ヤーさん？」

村上「ｷﾞｸｯ………んなわけ　あはは」
女の子「別に突き出すわけじゃないよ」
木村「で、どうされたのですか？」
女の子「実はねぇ　私ぁ　今日再販されるアートブック3冊欲しいのぉ　でも　一人1冊だから　お兄さんに助けてもらいたいなって　」
村上「えぇ……. こっちにメリット何もない……」
女の子「販売価格が5000円だからぁ　お兄さんたちの1万円で買い取らせて」

村上「わかったそのかわり俺たちをしっかり守ってくれよ」

女の子「うん」

列に並ぶ3人

リンチされた男性はそのまま道に打ち捨てられ、
先程乱れた列は綺麗に戻っていた。

ヲタク女子「おはようございます。
やっぱり　アートブックですか？」
女の子「わたしもぉ　買いに来たんです
マスケット式の銃の子がいっぱいだから
今回しっかり抑えたくて」
ヲタク女子「後ろの男性二人は？」
女の子「お兄ちゃん　荷物持ちなの！」
ヲタク女子「お兄さん方は」
木村・村上「いえ、完全に専門外です。」

即答

8:00
店員「これより販売開始します。　列に沿ってお進みください　一人一点のみです。　アートブック以外のお客様は9:00からのご入店になります。」

一斉に列が流れて目的のアートブックの購入に
木村村上共に成功した。

そして　先ほどの路地裏にて
村上「約束通り1万円で買い取るんだよな？」
女の子「ごめんねぇ　お金そんなにないや
5000円でいい？」
木村「それじゃあこっちに利益ないじゃないですか！」

女の子「今ここで転売ヤーだって告発してもいいんだよ」

村上「ﾃﾒｯ 最初から騙すつもりだったな！
クソ野郎が！」
女の子「転売ヤーなんだから恨みっこなしだよ」
女の子「どうするの？　大人しく5000円？告発されちゃう？」

村上「第3の手段があるんだ」

木村は途端に女の子の口を押さえ込むと

木村「この人意地汚いクズ転売ヤーです！」
大声で叫んだ

木村「逃げるぞ」
路地裏の奥から大通りへ逃げるように走る
村上「お前　相当クズだな」
木村「どさくさに紛れてあの子のアートブック
盗んでるのにいうか？」
村上「あ、バレた？」

秋葉から逃げるように離れる2人

村上宅前
村上「あー　やっぱり見回りいるな
帰れないな」

木村「帰れないってことは出品できないよな」
村上「無理ゲーじゃね？」
木村「今回　転売ヤーって何で特定してるっけ？」
村上「転売してるアカウント」

木村「そういえばさ


僕　は　転　売　用　の　ア　カ　ウ　ン　ト　
ないよね」

村上「何言ってるんだ？　お前だって俺の転売に協力してただろ。？　え？　おい！！　裏切るのか？！」

木村「ごめんね　売るのだけ君に任せて」

村上「ｶﾞﾌｧｯ！」
木村の蹴りは村上に大きなダメージを与えていた。

座り込む村上に木村は

木村「ありがとう　これで転売ヤーをやめられるよ」

木村「皆さん、　この人転売ヤーです。」

以上です。

打ち切りみたいですいません。